2011年4月26日火曜日

原発の御霊

出版の寅です。
4月23日、作家の一条真也氏からチケットを頂いた「シャーマニズムの未来」という東京自由大学のシンポジウムに行ってきました。

そこでマンガ家の岡野玲子さんの発言を聞いて、椅子から落ちそうになるほどの衝撃を受けたのです。なんと彼女は、「原発の御霊にアクセス」し、さらに「それは男の子だった」と言われたのです。

原発の御霊?などという発想は、日本人しかできないんじゃないかな。自分自身を制御できない男の子と考えるだけで、なんだか原発がかわいそうになってきたから不思議です。

地球をガイアと言い換えたとき、生命体というイメージになります。原子をアトムと言い換えると、何かとてもいとしいものに思えてしまいました。
アトムの最終回は、自分自身が原子爆弾になって隕石につっこんでいきます。アトムは自分自身が有している怖さをまた知っていたわけで、原発の力が脅威的であり、それが脅威であるわけです。

原発の御霊という発想に圧倒されたイベントでした。

2011年4月22日金曜日

日本人はガラパゴス?

出版の寅です。

震災で苦しむ日本け、世界中から支援の輪が広がっています。
今、日本を一つにという動きも同時に進んできています。
日本は戦争という過去の不幸な出来事によって、ナショナリズムに対し過度なアレルギー反応があります。「一つになろう日本」という時に、それを危惧する声さえあります。

でも、自分が生まれた土地を愛することは当然ですし、それを国家という部分であえて論じる必要はありません。

前回、人間も動物ということを書きましたが、日本人は地勢から見ても特殊な進化を遂げてきたような気がします。それはガラパゴスやオーストラリアと同じではないでしょうか。日本人は特殊な民族だと言っても言い過ぎではないでしょう。それがアイデンティティであり、優劣の問題ではありません。

日本という国は、日出ずる国であり、文化の執着点でもあります。日本より、先に文化を伝えることはできません。広大な太平洋が広がっているからです。ゆえに文化が熟成されるのは当然ですし、食文化を取ってみても、日本という国のアレンジ力はすごいものがあります。

日本人の特殊性を自覚することも、国にを愛することではないでしょうか。
今回の震災を、世界の中の日本を考える、絶好な機会にすべきです。

2011年4月20日水曜日

人間は動物?

出版の寅です。
読売新聞に、三浦展が『平成幸福ノート』という本の書評で隣人祭りのことを書いていた。
「われわれ社会では、隣人と話しながら食事をするという機会さえ貴重なものになってしまったのだ」と三浦氏は、隣人祭りの活動について述べている。
 
隣人と話しながらの食事など、当の昔になくなっている。ぼく自身、55歳になるが、人生で一度も隣人と食事をしたことがない。今は家族団欒さえない時代ではないだろうか。
 
だが被災地の光景を見ていると、家族団欒があり、隣人たちの助け合いがある。
人間は動物である。動物にとって、もっと自然なことを私たちは忘れてしまったのではないだろうか。
文明社会の中で、家族という単位、隣人というつながりを不要にするような社会を作ってきたのではないだろうか。
隣人は退化寸前である。家族でさえあやしい。人間は動物だという謙虚さをもって、一人では生きていけないことを思い出さないと、人間はきっと殺しあって滅亡してしまうだろう。
 
 

2011年4月19日火曜日

もしドラの理由

出版の寅です。
命名してくれた一条真也氏から、いきなり「出版の寅」と言われても一般の読者には不親切だという貴重な指摘を受けました。
一条氏のハートフル・ブログでネーミングの理由を書いてくれているので紹介します。
http://d.hatena.ne.jp/shins2m/20100216/1268958021
帽子をかぶる姿が、「男はつらいよ」の車寅次郎みたいでもあり、いろんな出版社に自由に出入りし、いろんな本を世に送り出すということなのです。
羊年生まれですから、「羊の革をかぶったオオカミならぬ、寅」というところです。

じつは、熱狂的タイガースファンでもあり、寅ならぬ、虎キチということもあり、気に入っています。

出版の寅の名に恥じぬように、いろいろな本を紹介していこうと思っています。

昨年「もしドラ」が大ベストセラーになりました。なぜそんなに売れたのか。
出版の寅としては、後付だろうが分析しないわけにはいきません。

一時、難しい話をマンガにするという出版が流行したことがあります(今もしていますが)。いわゆる「漫画化」という奴です。最近は、何とマンガを「小説化」するというのがはやっているのです。ノベライズというものです。
映画やドラマのノベライズはありましたが、マンガをノベライズするというのですから、これはどういうことでしょうか。
「もしドラ」はそうしたノベライズの手法に、マンガという要素(キャラと装丁)という味付けをした初めての本ではないでしょうか。単なるノベライズではなく、マンガのキャラが表紙になっていることで、手にとりやすくた。慣れ親しんできたマンガという要素を、いかに活字に取り込むか。これからの本づくりの大きな要素になってくると思う次第です。

マンガ化ではなく、いかに活字化するか。図解などという本がはやるのも、そのあたりに秘密があると思います。

2011年4月17日日曜日

富士宮の震災

出版の寅です。
実家のある富士宮市へ行ってきました。
ちょうど一か月前の3月15日に、富士宮市は震度6強に襲われました。幸いなことに、実家は花瓶やコップが割れている程度ですみましたが、兄が経営する工場では、一階の窓ガラスがすべて割れ、機械も止まったとのことでした。

タクシーの運転手に話を聞くと、ジャスコの大型ショッピングセンターではスプリンクラーが作動して商品が水につかり、やっと4月になって全面オープンしたとのこと。ガラスや壁などが壊れた家では工事が追いつかずまだビニールシートをかぶせているところも多々あるといいます。ブロック塀もずいぶん壊れたそうです。もし東日本大震災がなければ、きっと大きく報道されていたかもしれません。
あまりに身近に起こった震災の爪あとに改めて地震の脅威を感じた次第です。
日本中が多かれ少なかれ被災者です。ともに助け合う、その心しか復興の道はありません。

2011年4月15日金曜日

東電の志はどこへ

出版寅す。
木川田一隆。電力の安定供給を志として、実現した元東電の社長です。
戦後、電力会社は1社いいという考えに反対し、全国に9電力会社の設立を提案します。国鉄民営化のはるか前の戦後まもない1950年の11月のことです。競争こそ、活力を生むと考え方をすでにもったいたわけです。
さらに電源部門と配電部門の一体化は安定供給のために不可欠ということで、これも実現します。
まさに現在の電力供給の礎を作った人物といっていいでしょう。
それがいつの間にか、現在の東電の体たらくぶりはどうでしょうか。30年で寿命がきていた原発を使い続けていたわけで、人災といわれても仕方がないでしょう。

志と夢の違いを、一条真也氏は「志とは何代にもわたって継承されていくものとし、夢とは個人レベルのもの」だと教えてくれました。まさに同感です。東電は志はどこへいったのか。
原発の危険性を熟知している人間こそが、その対策をせねばならないはずです。

日本航空のパイロットはタクシーで通勤していたといいます。それには理由があって、安全のために操縦者もまた万全でなければならいと考えていたからです。ですから、操縦する前だけに許されていたといいます。それがだんだん形骸化し、いつの間にかその目的が忘れられ、ぜいたくな行為としてやり玉に上がってしまうなんて。

志を問い直すこと。戦後、荒廃した台地を見た日本人は決して忘れることがなかったはずです。

2011年4月14日木曜日

打ち上げ

出版の寅です。
昨晩は、昨年末からとりかかっていた仕事が終わり、その打ち上げをやりました。
授産品のカタログを、その仕事で出会った8人のメンバーで作成したわけですが、出会いあり、地震ありの3か月、ひとつのものを作り上げるという充実した時間でした。
授産品というのは、ハンディキャップをもつ人がちが、福祉施設で作っているもののことです。自主生産品という名前のほうが今は広まっているかもしれません。クッキーなどのお菓子類から、木工製品など、さまざまなものを手作りしています。
関心のある方は、都営地下鉄の駅のラックにも置いてあります。5か所という限られた場所ですが……。

消費することで復興を! 元気を出してやっていきましょう。

2011年4月13日水曜日

ホームページ始まる

出版の寅です。
本日、正確には昨晩からですが、小生のホームページがアップしました。
ブログが書き始めたときとは違うワクワク感がありますね。

どういう人の目にとまるのか、出会いが楽しみです。
http://www5.ocn.ne.jp/~utsumi

小生が心から尊敬する人物に作家の一条真也氏がいます。博覧強記な部分はもちろん、礼を重んじるその生き方がカッコいいわけで、彼が先日、ブログ執筆1000回を迎えました。小生も亀の歩みですが、1000回を目指してがんばる所存です。
内容はできるだけ、本の世界について書いていくつもりです。
引き続きよろしくお願いいたします。

出版寅さんというのは、一条真也氏の命名で、本当に気に入っています。
ちなみ一条真也は、「三つ揃えを着たジュークボックス」とでもいうのか、どんな歌でも歌えるという人物で、その点でも大いに尊敬しています。

2011年4月12日火曜日

一人DJ

出版の寅です。
マンガではまっているものを紹介しましたが、そのつながりでNHKFMの月曜日16時からのミュージックプラザの「昭和歌謡」を紹介します。つのだひろ氏がパーソナリティを務めていて、懐かしい昭和歌謡がバンバンかかります。
仕事をすべて片付けて、80分間(放送時間)に聞き入る。外出などの仕事はいれないという徹底ぶりです。

最近iPodのおかげで一人DJを楽しんいます。「今の気分に合うのはこの曲かな、などといいながら、曲を選び出してかえるわけです。この話を作家の関川夏央さんにしたら、「それを本にしろ」と言われました。まあ、ノウハウを構築しろという意味でしょうかね。iPodはすぐに曲を選び出せるという意味では画期的です。
昭和歌謡をため込んで、一人DJを充実させるつもりです。

2011年4月11日月曜日

宇宙兄弟

出版の寅です。
「僕はビートルズ」で紹介しましたが、「宇宙兄弟」という漫画にもはまっています。
私自身が次男であり、息子が二人いることなど、オトコ兄弟の気持ちがじつにリアルにわかって、共感するところが多いわけです。
内容も、NASAでの宇宙飛行士の訓練を調べたことがあることと、植松努さんというロケット研究者を原稿に書いたことがあったりと、とにかく物語の作り方のうまさに感心し、感動しています。
とくにパラシュートを開発する男たちの話は、植松さんに教えてもらったことに共通していて、きっと「宇宙兄弟」の作者は植松さんのエピソードを読んだと思う。それを物語に仕上げたところに、本当に感動しました。
植松さんに興味ある方は、ぜひ検索して調べてほしい。北海道の赤平という町でロケットをつくっている町工場の社長さんです。

2011年4月9日土曜日

東京出身者に期待

出版の寅です。
いよいよ知事選です。小生は東京都民ですから、都知事を選ぶわけです。
東京都というトップを直接選挙で選べる貴重な機会ゆえに真剣です。

今や東京都は田舎者(地方出身者ではなく、あえてここ言いたい)の集まりです。
じつはいいなと思っているタレントなどが、みんな東京生まれであることに気が付きました。
代表的なのが、なぎら憲壱に、さま~ずです。
がつがつしていないところが実に心地いい。
今回の原発問題でも、東京脱出みたいな話がありましたが、江戸っ子はどこへ行けばいいのか。三代東京に住んできた人間にはもう実家などというゆるいものはないわけです。

都知事選に話を戻すと、できれば宮崎の人でも、神奈川の人でもない、東京の人を選びたい。
放射能に汚染されそうになっても、逃げるところのない人に、私は東京の未来を託したいと思うわけです。

2011年4月8日金曜日

自分にできること

昨日はかわいい(見た目も)後輩というか、仕事仲間というか、飲み友達というか、キンギョ嬢と激論になりました。
「自分にできることをする」がテーマです。

キンギョ嬢いわく、自分が無理をしてまでやる必要はない。たしかにそうの通りです。
でも、一時話題になったタイガーマスク運動のように、匿名でする行為は、やはり自己満足ではないか。というのが小生の意見です。「できることをする」というのは、責任を回避していると。

たとえば、「やりたいことがあって、結果としてできることだけになった」というのと、はじめから「できることを精いっぱいしよう」と限界を決めてしまったのでは違うのではないか、ということです。結果は同じかもしれないけど、、そこには差があるような気がしてなりません。いかがですか。

目指すべき思いをまずもち、それを実現するためにがんばる。そんな生き方を目指します。

2011年4月7日木曜日

手塚治虫以前

出版寅です。
今、「僕はビートルズ」というマンガにはまっています。
小生はいわゆる小学館派と呼ばれるビッグコミックを創刊時から今でも読み続けています。でも今はモーニングを出版する講談社派になりつつあります。なぜなら「宇宙兄弟」と「僕はビートルズ」がモーニングに連載されているからです。「宇宙兄弟」も本当に面白い。
子どものころより、少年誌でもマガジン(講談社)より、サンデー(小学館)を愛してきました。途中、ジャンプ(集英社)やチャンピオン(秋田書店)に浮気をしたことはありますが……
いずれにせよ、マンガの力は未だ衰えず、です。音楽でワクワク感がなくなったことがテーマになっている(と思う)「僕はビートルズ」ですが、手塚治虫が日本に生まれなかったら、そんなマンガを誰か書いてくれ!

2011年4月6日水曜日

隣人祭り

出版の寅です。
「隣人の時代」(一条真也著・三五館)という本を読みました。
隣人というテーマをじつにわかりやすく、さまざまな角度から教えてくれる本でした。

著者の本には、いつも多くの著書や映画、絵画、音楽などの情報が満載されています。ゆえに読者は多くの疑似体験をさせてもらえるという喜びがあります。
本書の中でも、たくさんの情報が詰まっています。

しかも今は、そうした情報を、本でいえばアマゾンというツールで手軽に入手できるようになっています。じつにありがたい。

昨今、電子書籍の存在がクローズアップされています。どちらかといえば、映像や音楽を盛り込んだスタイルで本の価値を高めようとしている気がします。付加価値型と言ってもいいでしょう。
私は逆に、電子書籍の一つの形は「アマゾンに代わるもの」ではないかと思っています。手軽さです。今まで宅配便で運ばれていたものが、ダウンロードで手に入るというのが一つの形になるのではないでしょうか?

いずれにせよ、本ほど情報が詰まったものはありません。

2011年4月5日火曜日

記念日

出版寅さんと言います。
今日は息子の誕生日です。幸多かれとブログを解説した次第です。

西村淳さんが、ラジオで南極大陸からの帰り、シドニーで緑の色を見たときの感動を話されていました。

息子にどんな未来があるのかわかりません。ですが、アメリカ社会が描いたようなコードまみれの無機質な街ではなく、緑豊かな街であることを望みます。それが日本人が想像し、創造する未来の姿であると思います。

本を世の中に投げ込めば、そこには必ず波紋が起こります。その波紋の力を信じて、これから書き続けます。