2011年4月15日金曜日

東電の志はどこへ

出版寅す。
木川田一隆。電力の安定供給を志として、実現した元東電の社長です。
戦後、電力会社は1社いいという考えに反対し、全国に9電力会社の設立を提案します。国鉄民営化のはるか前の戦後まもない1950年の11月のことです。競争こそ、活力を生むと考え方をすでにもったいたわけです。
さらに電源部門と配電部門の一体化は安定供給のために不可欠ということで、これも実現します。
まさに現在の電力供給の礎を作った人物といっていいでしょう。
それがいつの間にか、現在の東電の体たらくぶりはどうでしょうか。30年で寿命がきていた原発を使い続けていたわけで、人災といわれても仕方がないでしょう。

志と夢の違いを、一条真也氏は「志とは何代にもわたって継承されていくものとし、夢とは個人レベルのもの」だと教えてくれました。まさに同感です。東電は志はどこへいったのか。
原発の危険性を熟知している人間こそが、その対策をせねばならないはずです。

日本航空のパイロットはタクシーで通勤していたといいます。それには理由があって、安全のために操縦者もまた万全でなければならいと考えていたからです。ですから、操縦する前だけに許されていたといいます。それがだんだん形骸化し、いつの間にかその目的が忘れられ、ぜいたくな行為としてやり玉に上がってしまうなんて。

志を問い直すこと。戦後、荒廃した台地を見た日本人は決して忘れることがなかったはずです。

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